『続3分間ミステリー』
この謎が解けますか?
著者:田中文雄
(1941年東京生まれ。早稲田大学在学時はワセダミステリクラブで活躍。東宝でプロデューサとして活躍後、1974年に「夏の旅人」でデビュー。「緋の墓標」シリーズなどの著書がある。草薙圭一郎名義で架空戦記もの多数。)
発行:KKベストセラーズ ワニ文庫
発売:2004年3月5日
定価:619円(初版当時 税抜き)
事故を装った妻殺害はなぜバレたのか?ひとり暮らしの老人は自殺か他殺か?非力な女探偵はどうして強盗を撃退することができたのか?……など全29問、小説仕立ての本格的ミステリー・クイズ、大好評の第2弾がいよいよ登場!犯人探し、トリックの解明、動機の探求など推理する醍醐味をたっぷりとどうぞ。さあ、あなたは何問正解できるか!? 事件発生から謎解きまで、極上の3分間をふたたび。
【もくじ】
1 駅前探偵立花麗子
2 探偵博士の推理ノート
3 かんざしお駒事件帳
4 新宿クイーン東へ西へ
前作『3分間ミステリー』に引き続き、月刊「クロスワードメイト」(マガジン・マガジン社)に10年にわたって連載してるもののなかからセレクトしたもの。前作から新たに立花麗子がお目見えしている。
既存の推理クイズに似ているものと、独創的なものが約半々の割合だろうか。ただ、これがクイズの唯一の解答だ、といえるほどの問題は少ない。こういう解答ですよと示されて、なるほど、こういう解き方もあるかと頷くような問題が多い。問題文で状況の説明が少ないため、推理の幅が広がっているのだ。だから唯一無二の解答というものが得られない。はっきりいってしまえば、説明不足で推理のしようがない問題が多い。
問題の解答は、一問先の問題文が終わった次のページに書かれているため、とても見にくい。基本的に問題文の次の、というか裏のページに書けば問題がないと思うのだが。
問題は一応ミニミステリ仕立てになっているが、中身はもう一つだろうか。もうちょっと推理ストーリーに仕立て上げることも可能だったと思う。ただ、名探偵の造形は今ひとつであるが。
月刊誌に10年間連載していたということは、単純に120問の問題を作成したことになる。まだまだ本になっていない問題は多いであろうから、できればこれからも出していってもらいたいものだ。
以上は前作と同じ感想なのだが、本作も同様。もうちょっと名探偵たちに魅力がでれば面白くなるのだろうが。
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