2006年度私的日本ミステリベスト10
終戦、原爆を取り扱った冒険小説史に新たな一ページが加わった一冊。2006年のダントツ!
2006年を代表する本格ミステリの秀作。2006年は道尾秀介の年だった。
様々な現実社会の問題を織り交ぜながら、人々の心の闇を浮かび上がらせたサスペンスの傑作。
名探偵と行動をともにドキドキ感、現実のほろ苦さ。そして正義と悪。少年ものの枠を越えた大冒険物語。
どこがいいのかと聞かれるとうまく答えられなくなるのだが、面白いものは面白いとしか言い様がない。
前作はフロックではなかった。これで細部をもっと書き込んでいれば、社会派ミステリの傑作となっただろうに。
作者にここまでストレートな怪盗ものが書けるとは思わなかった。
都会で負った傷をいやしてくれる大自然と人たち。警察小説の新しい形の一つ。
「対人地雷」シリーズ短編集。社会的なテーマと本格ミステリの融合を成功させたのはお見事。
地味だけど、じっくりと書き込まれているから、読み応えのある本格ミステリ短編集。
ベスト10といいながら、9冊しか挙げられない。それでも今年は『デッドライン』を読めたから満足。
(付記)2007年に読んだけれど、柄刀一をあえて追加。
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