藤原宰太郎 『名探偵の奇想館』
(KKベストセラーズ ワニ文庫)
『名探偵の奇想館』
迷宮事件への招待状
著者:藤原宰太郎
(藤原宰太郎:推理クイズ作家として数々の著書を執筆)
発行:KKベストセラーズ ワニ文庫
発売:1999年12月25日
定価:524円(初版時)
『
名探偵の推理館
』『
名探偵のトリック館
』につづいて、トリック博士の館シリーズの三冊目です。
トリック博士といえば、推理小説のトリックの収拾と研究に書けては第一人者で、目下、ライフワークの意気込みで『トリック百科事典』を執筆中です。その博識を買われて、W大学でミステリー学の講義をしているばかりか、警察の依頼を受けて、アマチュア探偵としても活躍しています。
これまで彼が捜査に協力した数々の事件の中から、奇抜なものばかりを選んで紹介しましたが、特に今回は、それぞれの事件のトリックについて、博士の博識なミステリー講義もあわせて載せることにしました。
では、博士の名探偵ぶりを存分に楽しんでください。
(「トリック博士の名推理に乾杯!」まえがきより)
【目 次】
第I章 99パーセント完全犯罪
第II章 偽装トリックの盲点
第III章 奇想のひらめき
第IV章 あばかれた犯人の正体
第V章 不可能犯罪トリック
途中途中に「ミステリー講座」と題した豆知識が入る。
まえがきにもある通り、トリック博士の館シリーズ三冊目。38問が収録されている。
おなじみの推理クイズもあるが、新しい推理クイズ問題も収録されている。新本格作品で使用されたトリックを使った推理クイズも収録されており、トリックの収拾に貪欲である藤原宰太郎の姿が改めて見られるのではないだろうか。
トリック博士のライフワークに『トリック百科事典』の執筆があるが、これは藤原宰太郎の長年の夢でもあった。トリックの収拾のために、新刊を次々読む藤原宰太郎の姿を考えると、その努力に頭が下がる思いである。
藤原宰太郎の推理クイズ本は、本作が最後となった。
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