加納一朗『SFディメンションクイズ』(日本文芸社)



『SFディメンションクイズ』  『SFディメンションクイズ』
 超心理学と想像力への挑戦!

 著者:加納一朗
 (加納一朗:SF、ミステリなど多数執筆)

 発行:日本文芸社

 発売:1985年3月18日初版

 定価:550円(初版当時)



 ここに提出されたクイズは、もし、あなたが大のSFファンならば中級程度、あなたが科学に強ければ初級程度の問題です。サイエンス・フィクションに登場する科学は多く空想の産物と考えられますが、必ずしもそうではありません。日常の科学の知識と、ちょっとした想像力があれば、すべて解ける問題のはずです。つまり、現代科学の視野からSFをのぞいたというかたちです。もちろん、なかにはひっかけもあります。ユーモアがないと答えられないものもあります。
 現代科学の進歩はめざましく、SFが、かつて描いた未来にどんどん追いついてくる現状ですから、うかうかしていられません。次に問題を考えるときは、かなり変わってしまうかもしれません。コンピュータが半年もたつと、新型になってしまうようなスピードなのですから――。
 人類が、海底に宇宙にのびて行く21世紀が間近です。未来の可能性に思いを馳せて、思考の実験にチャレンジしてください。

(「は・じ・め・に」より引用)


【目 次】
 Space.1 宇宙への挑戦
 Space.2 エイリアン
 Space.3 SFミステリー
 Space.4 ミラクルワールド
 Space.5 ロボットとサイボーグ
 Space.6 ESPとディメンション


 加納一朗が何冊か出版しているSFクイズものの一冊である。『SFゲーム』『SF SFクイズに挑戦』と重なっている問題が多い。中には『名探偵入門』『名探偵登場』に収録されているクイズの再録もある。
 一部は当時最新のデータや、SF小説の知識、一般的な科学の知識が必要なクイズもある。
 10年以上も前のクイズと同じものが多いのだから、なにも冒頭で「現代科学の進歩はめざましく、SFが、かつて描いた未来にどんどん追いついてくる現状ですから、うかうかしていられません」なんて書かなくてもよかったのにと思ってしまう。
 私の想像だが、1984年に作者が『ホック氏の異郷の冒険』で第37回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞したから、それに便乗して出版されたのではないだろうか。

【加納一朗作品リスト】に戻る