『お笑いスター誕生!!』 名鑑【う】


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名 前
歌メリ・マリ
初出場
 1983年3月12日(第3期グランプリシリーズ)
実 績
 2週勝ち抜き。
 第1回オープントーナメントサバイバルシリーズ1回戦負け。
 第2回オープントーナメントサバイバルシリーズ1回戦負け。
 第3回オープントーナメントサバイバルシリーズ1回戦負け。
ジャンル
 漫才。
プロフィール
 歌メリ:本名池野裕子。1959年9月5日生。岐阜県出身。
 歌マリ:本名松浦まり子。1956年8月2日生。愛媛県出身。
 デビューは1977年。正司歌江(かしまし娘)の弟子。歌江の「歌」が亭号となっている。
ネ タ
(1週目合格 No.151 1983年3月12日放送)

 スポーツの話題で中尾ミエさんの得意種目は「走りババ跳び」といって、ネタ終了後、ミエさんに「ありがとよ」「なにがメリ・マリだよ。顔と名前が全然一致してないじゃねーかよ」とすごまれてました。太ったほう(メリ)が松田聖子のふり真似で足ぶみを思いっきりふんで、どんどん音をならすところだけ受けていましたが、2週目も同じことをやったら注意されてました。
(3週目不合格 No.153 1983年3月26日放送)

 クイズに正解するとご褒美として、クリームパンを食べ、不正解でもクリームパンを食べるコントをやっていたような気がする。コント終了後、司会の中尾ミエに「大丈夫?」と声をかけられていたのが印象的でした。
 歌メリ・マリは3週めでクイズに答えてシュークリームを食べるネタをやって、審査員に「内容がない」と酷評されて落ちました。その週に再チャレンジのザ・バッテリーがネタの中でシュークリームの話が出た時に、すかさずアドリブでメリ・マリのことをとりあげて、銀賞獲得しました。
感 想
 『テレビ演芸』2週勝ち。面白くありませんでした。
その後・現在
 中堅になっても花月劇場ではほとんどトップバッターだったらしい。テレビ大阪『お笑い満載吉本号』ではレギュラー、ほかにもちょこちょこテレビに出ていたとのこと。
 1990年ごろ、メリの結婚を機に解散。歌マリは色々と相方を変えましたが、その後はピンで活動。吉本興業に所属していましたが、2008年ごろに退社したらしい。
 コンビ解散後、マリは転々と相方を替えています。'93年は「まり・みわ」、'94年は「まり・いろは」として「オール・ザッツ漫才」に出演。
 「エンジェル」というなんとも乙女チックな名前のコンビは実は、元「歌メリ・マリ」のマリと、吉本へ移籍した元「Wさくらんぼ」のナオコ(わかりやすく言うと「歯ぐき」の方)が結成したコンビ(91年10月結成)。
 歌マリ:歌メリ・マリ→エンジェル(91年結成)→まり・みわ(93年)→まり・いろは(94年)→(これ以降は検索をかけた結果分かったことです。私は見たことがありません)→まりちゃんず→マリ&ミリ(98年結成。ミリは元「浮世亭てっ平・ミリカ」)→マリ&ミワ(99年頃)→……
 なんだか「家系図」ならぬ「漫才コンビ系図」を書きたくなるこの「乱交ぶり」。マリ、恐るべし……。
 2008年3月22日、国立文楽劇場・小ホールで開かれた「上方演芸若手育成会」に漫才で歌マリ・メリが出演。その後も船場寄席などで活動中。
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名 前
ウッチャンナンチャン
初出場
 1985年5月11日(第5回オープントーナメントサバイバルシリーズ
実 績
 第5回オープントーナメントサバイバルシリーズ準優勝
 第6回オープントーナメントサバイバルシリーズ第4位(敢闘賞)
 第7回オープントーナメントサバイバルシリーズ優勝。
ジャンル
 コント。
プロフィール
 内村光良:本名同じ。1964年7月22日生。熊本県出身。
 南原清隆:本名同じ。1965年2月13日生。香川県出身。
 元々は二人とも横浜放送映画専門学院の出身。内村は映画監督を目指していたが、必須科目にお笑いの授業があり、内村と南原はそれぞれ別の人とコンビを組むも、うまくいかずに別れ、余った者同士でコンビを組む。講師として来ていた内海好江の前で披露すると褒められ、マセキ芸能社にスカウトされた。卒業後の1985年結成。
ギャグ
内村に何かを頼まれても、
南原「(両手、両足を拡げて)やなこったい!」
南原「父ちゃんは大工だ!」
ネ タ
第5回オープントーナメントサバイバルシリーズ1回戦 83点○ No.262 1985年5月18日放送)

 またまた初挑戦組の登場だ。横浜放送映画専門学院を卒業。コンビを組んでホンの数ヶ月の、二十歳な二人。果たして、どんな技を見せるか。ウッチャンナンチャンだ。

 音楽に合わせ、司会の内村が登場。青ジャケットに眼鏡姿。ゆっくり階段を下りる。マイクの前で、いきなり後方へトンボ返り。
内村「みなさん、こんにちは。教育テレビがお送りする、素晴らしきイングリッシュの世界、のお時間です。ですから、さきほどのトンボ返りは、なんの意味もありませんでした。さあ、それでは早速先生をご紹介しましょう。いつもにこやかな笑顔でお馴染みの、英語の王様、デュラン・南原先生です。先生、どうぞ」
南原、赤ジャケットでにこやかに登場。
南原「******」
内村「先生は、幼少の頃、大阪の呉服問屋で、丁稚として活躍していらっしゃいました。ほら、デュラン、ちゃんと掃除し」
南原、いきなり掃除を始める。
内村「明るい笑顔の裏に隠された悲しい過去が、条件反射となって現れたようです」
南原「掃除が終わりました」
内村「先生、今日もよろしくお願いいたします」
南原「よろしく」 内村「さあ、苦労話を聞かせて同情してもらおうなどという汚い魂胆はこれぐらいにして、早速始めてまいりましょう」
 南原、むっとした顔。
内村「先生、カメラ。笑顔を忘れずに。まず最初は、単語を正しく発音しよう、のコーナーです。今日お勉強する単語は、動物園などでよく見かけます、象、象さんですね、先生、何やってんですか」
 南原、客席に向かってにこやかに手を振る。
南原「暇だったものだから」
内村「ジッとしていなさいよ。いい子なんだからね。ではこの象さんを、先生に英語で、正しく発音していただきましょう。それでは先生、よろしくお願いします。
南原「ぞう」
 南原、笑いながら、舞台を左右に動き回る。
内村「しばらくお待ち下さい。いいですか。本番なんですから、真面目にやって下さいよ、真面目に」
南原「イッツアジョーク、ジョーク」
内村「先生は小気味よいギャグの持ち主でまいります。それでは、先生、真面目に、真面目にどうぞ」
南原「(低い声で)ぞう」
 南原、笑いながら、舞台を左右に動き跳ね回る。
内村「先生、先生、真面目な顔じゃなくてね。象さんを英語で、英語で」
南原「えっ」(おどけた表情を見せる)
内村「先生のこのいたずらっぽい目が、視聴者をとらえて離さない魅力の一つとなっているんでしょう。じゃあ先生、今度こそ本当によろしくお願いいたします」
南原「(大声で)エレファント」
内村「(すぐにさえぎり)うまい。それでは続きまして、私がやりましょう。エレ・ファン・ト」
南原「エレファント。つばを飛ばすように、エレファント」
内村「エレファント。では、カメラに向かってもう一度」
二人「(互いにつばを相手に飛ばしながら)エレファント」
内村「それではこれで、英語を正しく発音しようのコーナーを終わります。(南原、顔についた唾を内村のジャケットになすりつける)先生、先生、笑顔、笑顔。それでは続きまして、先生自ら企画いたしました、英語で物まねしよう、のコーナーです。さ、今日はどんな物まねが飛び出しますかな。先生、何気張ってんですか。それでは、よろしくお願いいたします。まず最初は、英語で、田村正和」
南原「アイアム・マサカズ・タムラ。やったー(ガッツポーズ)」
内村「続きまして、近藤正臣」
南原「アイアム・マサオミ・コンドー。やったー(ガッツポーズ)」
内村「ここでテレビをご覧の皆様にお詫び申しわげます。先生はまことに残念なことに、この二つしか物まねができません。そしてそんなにうまくももありません。このコーナーは今日でお終いです」
南原「アイアム・マッチ。おの口だけ。お、お」
内村「まあ、先生ったら」
二人(踊りながら)「チャーカチャカチャッカ、ヨイッショ。チャーカチャカチャッカ、ヨイッショ」
内村「今日でお終いです。さあ、嫌なことを忘れて、次へまいりましょう。(落ち込む南原)先生、元気を出して、元気を。続きまして、ことわざに気を付けよう、のコーナーです。It is no use crying over spilt milk. 直訳しますと、こぼしたミルクのことで泣いてもどうしようもない」
南原「イエス」
内村「過ぎ去ったことを悔やんでもとりかえしがつかない、といった意味ですが、これは日本では」
南原「覆水、盆に返らず」
内村「となりますよね。しかし、この覆水、盆に返らずを誤って英語に訳しますと」
南原「Mr.Fukusui doesn't return to his country in Bon.」
内村「覆水さんは、お盆には田舎には帰らない。つまり、お盆になっても田舎に帰らない、親不孝もの、といった意味になってしまいます。それでは最後にお馴染み、英会話のコーナーです。今日は、街角で友人と出会ったら。今日のキーポイントはtoo。日本語で」
二人「なになにも」
内村「ですね。それでは先生、よろしくお願いいたします」
内村「Hello,Mr.Nanbara.」
南原「Hello,Mr.Uchimura.How are you?」
内村「I'm fine.How are you?」
南原「I'm fine,(ためにためて)too.」
内村「Oh, nice boy.」
南原「You are nice Boy.」
二人「too」
内村「Bye the way,one plus one equal」
二人「(そろってポーズを取りながら)two!」
内村「では、今までの所を日本語に訳してみましょう」
内村「やあ、南原君」
南原「やあ、内村君、元気かい」
内村「ああ、元気だよ。キミは元気かい」
南原「ああ、元気だよ、おれ(ためて)も」
内村「お前っていい男だなあ」
南原「いやいや、いい男だよ、キミ」
二人「も」
内村「ところでいちたすいちは」
二人「も」
内村「これで、英会話のコーナーを終わります。みなさん、いかがでしたでしょうか。少しは勉強になったでしょうか」
南原「はい、とっても勉強になりました」
内村「先生は明日、英語検定4級試験に挑戦いたします」
南原「頑張ります」
内村「それでは来週のこの時間まで グッバイ」
南原「グッバーイ」
二人「too」
二人「どうも、有り難うございました」
第5回オープントーナメントサバイバルシリーズ2回戦 93点○ No.267 1985年6月22日放送)
(名作傑作集第2弾 No.319 1986年7月19日放送)

南原「内村君、ここが体育館だ」
内村「わあ、広いなあ。ここが体育館か。でも南原君って言ったよね。わざわざ放課後に学校を案内してくれて有り難う。嬉しかった」
南原「いやいや、転校してね、分からないことがあったら、オレに聞いてよ」
内村「一番最初に声をかけてくれたのは君だったもんな。嬉しかった(妙なリアクション付)」
南原「ああ、そう。まあいいや、よろしくな」
内村「ああ、よろしく。本当にいい学校に転校してきたな、って、そういう感じがするな」
南原「でもね。この学校でも最近いじめが流行っんだ」
内村「(不安そうに)え、ここでもいじめが問題になっているの」
南原「心配することないよ。いじめられるやつって大体決まっているんだ」
内村「どういうやつがいじめられるの」
南原「髪の毛鬱陶しくて、メガネかけてて、猫背でがに股で、青い靴はいているやつ」
内村「おーい、それじゃまるでオレみたいなやつじゃないか」
南原「おまえだよ」
内村「じゃあ、オレが、前にいた学校でいじめられっこだったっていうの」
南原「だから転校してきたんだろ」
内村「(妙に甲高い声で)よせやーい。おれがいじめられっこだったって。冗談も休み休みに言えよな」
南原「お前、変わったリアクションするな」
内村「だって、オレクラスの人気者だったもん」
南原「どんな人気者だよ」
内村「オレがクラスの席に着いたら、みんながオレの周りをわーっと取り囲んでさ。このやろ、このやろ、ポンポンポンポンちやほやしてくれていたもん」
南原「お前、ちやほやするときにな、みんなげんこつでちやほやしてなかったか」
内村「そのとき、意識がポーッとしていたからよくわからない」
南原「お前、たこられているんだよ。頭を殴られてポーッとしているんだよ」
内村「でもオレ、友だちの信頼度は高かったもん」
南原「どんな信頼度だよ」
内村「だってさ、お前は頼りがいがあるからってさ、やきそばパン売店に行って3個買ってこいってよく頼まれていたもん」
南原「休み時間か」
内村「授業中」
南原「金もらったか」
内村「いつか返してくれるって」
南原「使い走りだよ、お前。使いパシリじゃないか」
内村「(泣きながら)でもみんな親切にしてくれたもん」
南原「泣くなよ」
内村「だってさ、オレが弁当を食っていたらさ。おかずがなくなっちゃったからどうしようかなって思っていたらさ、白いふりかけでもかけて食べろよって、ふりかけを書けてくれたもん」
南原「それ、妙に石灰臭くなかったか」
内村「その時、鼻血を出していたからよく分からない」
南原「それ、チョークの粉だよ、チョークの粉」
内村「でも、おれクラブ活動なんかも一生懸命やっていたしさ」
南原「お前、文化部だっただろ」
内村「なんだよ、いきなり」
南原「文化部の暗いところに入るやつはな、いじめられっこが多いんだよ」
内村「文化部をバカにするな」
南原「そーれ、文化部だった」
内村「おれはサザエさん研究部の部長をやっていたんだ。サザエさんについて色々と討論し合うんだよ」
南原「討論?」
内村「カツオくんの髪の毛がなぜ伸びないかとかさ」
南原「そんなやつだから、いじめられるんだよ」
内村「オレはいじめられっこなんかじゃなかったよっ(南原、いきなり学生服の胸元を掴む)ひっ、(横を向きながら)やめろよ」
南原「ほら、条件反射でびびってんじゃないか、条件反射で。お前がいじめられっこだってわかったんだよ」
内村「何だよ、さっきまであんなに仲良くしてくれていたのにさ」
南原「別にオレはお前を攻めているんじゃない。むしろ、オレはお前の味方なんだ」
内村「味方? ホント?」
南原「オレは前々から、いじめをなくしたいと思っていたんだ」
内村「本当に、味方になってくれるの?」
南原「ま、オレがいるから、せいぜい妊娠しろ」
内村「妊娠しろ?」
南原「安心しろ」
内村「しゃれのつもりかい(南原、いきなり学生服の胸元を掴む)ひっ、(横を向きながら)やめろよ」
南原「その顔がダメなんだよ。おれが特訓してみるから、襟を掴んで見ろ」 内村、南原の学生服の胸元を掴む。
南原「(無駄に笑いながら)やめろよ、やめろよ」
内村「お前、どうしたんだよ」
南原「笑ってんだよ」
内村「何で笑うんだよ」
南原「いじめっこはこんな顔をしていたらな、余計にいじめたくなるんだよ。笑っていたらな、こいつこんなときでも笑っているんだ。なんて心に余裕があるんだ。心が広いやつなんだってって思っちゃうんだよ。」
内村「なるほどなあ」
南原「笑わないと、陰、陰にこもってしまうんだ」
内村「なるほど、おれあまり自己主張っていうものができないもんな」
南原「思ったことを、相手にはっきりいってやらないとダメだ」
内村「うん」
南原「それには、まず発声だ」
内村「発声?」
南原「な・か・ま・に・い・れ・て・よ」
内村「お前それ演劇部がやっている発声練習じゃないのか」
南原「いいからやってみろ」
二人「く・ち・き・い・て(二人で可愛くポーズを決めながら)ね」
内村「おまえ、大丈夫なのかよ」
南原「物事ははっきりいえって、物事を。これができたら、次は歌だ。」
内村「歌?」
南原「明るく歌って、性格も明るく。暗い歌はいじめられるぞ。どんな歌が好きだ?」
内村「好きな歌?『遠くへ行きたい』」
南原「『遠くへ行きたい』?」
内村「(振りつきで歌う)知らない街を、歩いてみた~い。どこ~か遠く~へ、(しゃがみながら)行ってみた~い~」
内村「青い空」
南原「広がる海……こら!」
内村「どこか二人で遠くへ行かないかい」
南原「行きたくないよ。もっと明るく歌うんだよ、明るく」
内村「明るくってどうやって」
南原「(いきなりミュージカル風に明るく)知らない街を、歩いてみた~い」
二人「(明るく踊りながら)どこ~か遠く~へ、(なぜか二人でしゃがみながら暗く)行ってみた~い~」
内村「澄み渡る空」
南原「長い雲……こら!」
内村「ねえ、ふたりでどこかへ遠くに行かないかい」
南原「こら、こら」
内村「明るくなんて無理だよ」
南原「こうなったら、先生に相談するしかないな」
内村「先生になんか相談してみろよ。てめえ先生にちくったな、告げ口したなって、余計いじめられるだけなんだぞ」
南原「じゃあおまえ、いつもどうしてんだよ」
内村「しょうがないからさ、部屋に貼ってあるキョンキョンのポスターに話しかけてんだ」
南原「キョンキョンのポスター?」
内村「キョンキョン、今日もいじめられたよ、って。そうしたら、まあ、可哀相ねって」
南原「自分で答えるの?」
内村「うん」
南原「本当に可哀相だよ。本当に可哀相だよ、それじゃ。先生もな、こっちから信頼してどーんとぶつかっていけばさ、ばーんと返してくれるもんなんだよ。それじゃあさ、俺を先生だと思って相談してみろ」
(南原、黒板に書いているふり)
内村「先生?」
南原「(いきなりチョークを投げつける)そこ、静かにしろ。うるさい」
内村「先生、もう授業終わっています」
南原「そうか、なんか二人きりで変だと思っていたんだ」
内村「(首をひねりながら)先生、実は相談があるんです」
南原「何?」
内村「実はですね、クラスのやつが、ぼくのことを、いじめるんです」
南原「がんばれ」
内村「相談できないじゃないの!」
南原「親だよ、親」
内村「そうか、親だよな。自分の子供のことだもん。真剣に考えてくれるよな」
南原「そうだよ」
(いきなり、かんなで木を削る真似をする) 内村「父ちゃん、何やってるの」
南原「父ちゃんは大工だ!」
内村「うち大工だったっけ」
南原「そうだ(いきなり金槌を投げる)仕事場に入ってくるなっていっただろ」
内村「父ちゃん、金槌投げるの、よくないよ。父ちゃん、話があるんだ。実はね、学校の友達が、ぼくのことをいじめるんだ」
南原「そうか、大きくなって(またかんなで木を削る)」
内村「父ちゃん?」
南原「ダメだなあ、父ちゃん、仕事熱心で」
内村「じゃあ、どうすればいいの。結局一人で悩むしかないんじゃないか」
南原「こうなったらな、楽しむしかないな」
内村「楽しむ?」
南原「いじめられているのを楽しんじゃう」
内村「どうやって楽しむの? 例えばさ、ご飯にチョークの粉を振りかけられたときはさ?」
南原「赤チョークと青チョークを振りかけて、あら、三色弁当になっちゃった。カラフルだな」
内村「じゃあさあ、ズボンを脱がされたときは」
南原「ねえ、私、今日フリル。明日、ブルマにしちゃおうかしら。ねえ、みんな私のことをクラスのリカちゃんと呼んで」
内村「(態度を変えて)南原、南原」
南原「私、リカちゃん」
内村「南原」
南原「リカちゃん」
内村「お前ひょっとして、この学校のいじめられっこだろう」
南原「よせやーい。」
内村「何、動揺してんだよ!」
南原「(おどおどしながら)そんな目で見るなよ。あ、お金なら持っている。(内村に手渡しながら)このお金で、二人でどこかへ行こう」
内村「ざけんじゃねーよ」
((第5回オープントーナメントサバイバルシリーズ準決勝Bブロック 99点○ No.271 1985年7月20日放送)

第5回準決勝 ウッチャンナンチャン  2回戦は93点という高得点を獲得し、初挑戦ながら勝ち残った。不思議な二つのキャラクターが今日も爆笑を呼ぶか。ウッチャンナンチャンだ。

内村「(ラグビー服を着て眼鏡をかけて登場)ラグビー、それは男のスポーツ。(でんぐり返しをしながら)タタタタ、トライ。でも、だからと言って、女の子がやっていけないということはない。(走ってでんぐり返しをしながら)タタタタ、トライ。でも、止めといたほうがいい。(ラグビーボールを置くふりをして、キック)(とぼけた調子で)けがをするよ。おーっと、グランド向かって独り言言ってる場合じゃないぜ。今日はおそらく最後の練習になるだろう。しかし、先輩は、先輩はどこにいるんだ? せんぱーい、せんぱーい」
南原「(ラグビー服を着て登場。前方にでんぐり返しをしてバンザイ)トラーイ」
内村「せんぱーい」
南原「おっ、内村、いたのか。イヤなところ、見られちまったな」
内村「先輩、今日もよろしくお願いいたします」
南原「何事においてもな、基本が大切だ。ラグビーの基本中の基本、パスから始めるぞ」
内村「はい!」
南原「いいか。パスというのはな」
内村「パスというのは」
南原「相手に」
内村「相手に」
南原「ボールを」
内村「ボールを」
南原「パスすることだ。よしOK!」
内村「当たり前じゃないですか。当たり前じゃないですか!」
南原「若い、若い」
内村「何が若い、若いですか」
南原「いいか、何事においても基本が大切なんだ。ほら、あの空飛んでる飛行機、なんで空飛ぶと思う。あの鉄の塊が」
内村「何でですか?」
南原「基本ができているからだ」
内村「さすが先輩だ」
南原「ようし、内村。俺にパスしてみろ」
内村「行きますよ。はい、先輩」
南原「レシーブ」
内村「トス」
南原「アタック」
二人「(ハイタッチしながら)やったあ。ニッポン(チャチャチャ)、ニッポン(チャチャチャ)」
内村「先輩、ラグビーやりましょうよ。真面目にやってくださいよ。それ!」
南原「スマッシュ!」
内村「畜生、やられたよ」
南原「今度は俺がトスあげるからな」
内村「負けないぞ」
南原「内村、あれなんだ」
内村「えっ(と向こうを見る)」
南原「カッコッカッ(と打ったふり)」
内村「あー先輩、って、ラグビーやるって言ってるでしょ」
南原「わりぃ、わりぃ、真面目にやるよ」
内村「真面目にやってくださいよ。行きますよ。それっ」
南原「ボン。どこに投げてるんだよ、内村。胸元に投げて来いよ、ガチッと(と内村に投げる)」
内村「(受けとめた後)じゃあ、先輩。思いっきり投げますからね」
南原「バシッともっとやれよ」
内村「行きますよ。それ」
南原「バシッ(と両手で受け止める)ハハハハ(……と思ったら、顔に手を当てて痛がる)」
内村「(ボールを拾いながら)先輩。ちゃんとキャッチしてくださいよ。大丈夫ですか」
南原「お前、早いな」
内村「大丈夫ですか」
南原「だいぶ良くなった。よし、今日のラグビーの練習は、これでおしまいだ」
二人「ありがとうございました」
内村「先輩、あのちょっと、帰る前に大事な話があるんですけど」
南原「大事な話? なんだ」
内村「あの実は俺」
南原「俺なんだ」
内村「俺」
南原「早く言えよ」
内村「俺……オッレ!」
南原「(思わずうずくまり、頭を抱える。内村、南原のところへかけてくる)お前、それが言いたかったのか」
内村「いや、ちがう、その、あの、言いにくいことなんですけれども、ラグビー部を辞めるんです」
南原「ラグビー部を辞める?」
内村「この夏休みに予備校の夏期講習を受けなくちゃいけないんで」
南原「夏期講習!」
内村「もうそろそろ受験勉強始めないと。高校二年生ですから」
南原「俺は高校三年生だ。高二のお前が受験勉強やって、(石を拾って投げながら)高三の俺がこんなことやって……、しょせん俺は大工の息子だい!(石を投げまくる)」
内村「せ、先輩。止めてください。あんまり石拾って投げるのやめてください。ほかの人に迷惑がかかるでしょう」
南原「いいんだよ」
内村「僕だって本当は、ラグビー部辞めたくありませんよ」
南原「えっ」
内村「最初は、厳しい練習に耐えられない時もあったけど、でもやってるうちにだんだんとラグビーそのものが好きになってきて」
南原「(うんうんと頷く)」
内村「そしてある日の放課後、嫌がるラグビーを雑木林に連れていき」
南原「雑木林?」
内村「無理矢理押し倒して。へっへっ(といやらしい笑い)」
南原「お前、何言ってるんだ」
内村「先輩がラグビーボールに見える」
南原「こらっ。何言ってんだ、お前」
内村「親が勉強しろ。勉強しろってうるさいんです」
南原「教育ママってやつか」
内村「はい。それにうちのお父さんは教育パパで、妹は教育さち子。おまけにうちで飼ってる犬は教育ポチと来たもんだ」
南原「じゃあな(と帰ろうとする)」
内村「先輩(と引き留める)」
南原「そんなこと聞きたいんじゃないよ、俺」
内村「だからつまり、あの、親が部活をやめて予備校に行けって」
南原「あのな、予備校っていうのは、受験に一番大切なものを教えてくれないんだよ」
内村「受験に一番大切なの?」
南原「そう」
内村「なんですか、それは」
南原「合格発表の時のリアクションの取り方だ」
内村「合格発表の時のリアクション?」
南原「発表、掲示板に出た。受かった。お前ならどうする?」
内村「俺だったら、(万歳しながら)やったー、受かった―」
南原「若い、若い」
内村「若い、若いっての、やめてほしいんだ。じゃあ、先輩だったらどうやるんですか!」
南原「(両腕を左右に開き、足を躍らせながら)受かった~~(踊りながら)受かった、受かった、受かったよ」
内村「先輩、何をやってるんですか」
南原「悦びを体で全開で表現してるんだよ。テレビカメラがドン、全国放送」
内村「じゃあ、落っこったときは」
南原「お前ならどうする」
内村「(受験番号を見ながら)ない~(と頭を抱える)」
南原「青い、青い」
内村「その青い、青いっていうんだったら、じゃあ先輩だったらどうやるんですか」
南原「(両腕を左右に開き、足を躍らせながら)落っこった~~(踊りながら)落っこった、落っこった、落っこったよ」
内村「受かった時と踊りが同じじゃないですか。俺、クラブ辞めます」
南原「内村!」
内村「大学落っこちて、こんなことやりたくないですからね」
南原「こうやるんだ(と踊る)」
内村「そんなこと、どうだっていいですよ。先輩、色々とお世話になりました。クラブ、辞めます」
南原「内村! お前、俺が信じられないのか?」
内村「先輩」
南原「転校してきて、番長に絡まれているとき」
内村「助けてくれたのは先輩だった」
南原「駅の改札で切符をなくして困っているとき」
内村「駅員殴って通してくれたのも先輩だった」
南原「授業中、おもらしした時」
内村「みんなに言いふらしたのも先輩だった」
南原「それが信じられないのか」
内村「先輩」
南原「(両手を後ろに組み)フフフーンフフーン」
二人「(内村も一緒に)フフフーンフフーン」
二人「(踊りながら)♪君の行く道は はてしなく遠い(ザ・ブロードサイド・フォー『若者たち』)」
内村「先輩、俺が間違ってました」
南原「わかってくれたかな?」
内村「もう一度僕にラグビー教えてください」
南原「フフフーンフフーン。わかってくれたかな?」
内村「いつまでやってるんですか」
南原「(指差しながら)内村、夕陽だ!(ところが目を押さえる)」
内村「どうしたんですか」
南原「まともに見ちゃった」
内村「大丈夫ですか」
南原「あの夕陽に向かってトライだ」
内村「俺、こういうのを一度やってみたかったんですよ」
南原「いいか、内村!」
内村「はい!」
南原「これが売春だ!(と二人で決めポーズ)」
内村「先輩、青春、青春」
南原「これが青春だ(と二人で決めポーズ)」
内村「はい」
南原「行くぞ。タタタタ、トライ(と二人でトライ)」
内村「(膝をつく南原の両肩に手を当てながら)僕と南原は友達です」
南原「でも、他に友達がいません」
内村「だから時々、2人でこうやって衣装までそろえて遊んでるんです」
南原「良かったら、君も入んないか」
二人「どうもありがとうございました」

 泣いた女性客2人が得点発表後、花束を渡した。
「今日は売春、じゃなかった青春そのもの」「ああいうネタは学芸会みたいになっちゃうものだが、プロの中に入ってやっても問題ないぐらい、安心して見られた」「ここにきて、ものすごく伸びた。三週前と比べて見違えるくらい伸びた」「ここだけで感激しないで、もっと先まで行くように」
第5回オープントーナメントサバイバルシリーズ決勝 89点2位 No.272 1985年7月27日放送)

(♪チャイム~)
内村「(眼鏡姿の学生服で、踊りながら登場)ナオコちゃ~ん、大好きだよ~~ロレイホォ~~。私はスイスで生まれました。名前はロッテリア。……い、今のギャグ、ナオコちゃんに言ったら笑ってくれるかな。会話の中にちょっとユーモアをのぞかせると、女の子にもてるって、雑誌に書いてあったからな。よーし、今日こそはナオコちゃんに、自分の気持ちを打ち明けるんだ」
南原「(舞台の影から)内村!」
内村「あっ、一番やな奴に出くわした」
南原「(学生服を着て、腰をくねらせながら登場)内村じゃねえか。何やってるんだ」
内村「ちょっと、放課後の散歩ってところかな」
南原「行こ、行こ(と腰をくねらせる)」
内村「やめてよ。その歩き方、止めてよ」
南原「いつも二人でやってるじゃないか」
内村「僕、今日は一人でぶらついていたいんだ」
南原「最近おかしいぞ」
内村「ぇ(と高い声)」
南原「その潤んだ目」
内村「ぇ(と高い声)」
南原「まさか、恋してるんじゃないだろうな」
内村「(妙に高い声で後ろに飛びながら)よせや~い。俺が、恋をしてるって。それもB組の、鬼ヶ島ナオコちゃんに。冗談も休み休み言えよな~」
南原「お前、そのリアクション、何とかなんねえか。えっ、鬼ヶ島ナオコ?」
内村「(思わず口をふさぐ)」
南原「鬼が島ナオコって、あのスケバンの、通称カミソリのナオコ?」
内村「(泣きそうな声で)ナオコちゃんの悪口言うなよ」
南原「えーっ」
内村「あの子は本当は、気の優しい子だよ」
南原「どこが?」
内村「あの子はあったかい手をしてるんだ」
南原「あったかい手?」
内村「俺ね、一回ね、あの子の手と手が触れ合ったんだよ」
南原「触れ合ったときにな、その時、真ん中にお金を触れ合ってなかったか?」
内村「そのとき3万円寄こせって言われたから」
南原「カツアゲされたんだろ。カツアゲだよ」
内村「でもあの子の笑顔、とっても素敵だよ」
南原「笑顔?」
内村「目の前でにこっと微笑んでくれたんだ」
南原「それな、微笑んだ時に胸倉捕まれてなかったか?」
内村「そんなことしてないよ」
南原「あれ?」
内村「カミソリで頬切られただけだ」
南原「(頷いた後)よけい、悪いじゃねえか」
内村「でもあの子、テニスもうまいもん」
南原「あいつはな、テニスしかできないんだよ」
内村「ぼくね、この前、テニスやったんだよ」
南原「あれ? おまえテニスできんの?」
内村「できるよ」
南原「初耳だな」
内村「君はできるかい?」
南原「俺はスポーツ万能だよ」
内村「やってみなよ」
南原「よーし。いくぞ。(ボールを上に投げて、サーブを打つ)」
内村「(かけてきてボールを拾い、反対側に移る)」
南原「(呆気にとられたが、もう1回ボールを上に投げて、サーブを打つ)」
内村「(かけてきてボールを拾い、反対側に移る)」
南原「お前、何やってんだよ」
内村「テニスだよ」
南原「ボール拾いじゃねえか。ボール拾いだよ」
内村「だって、ナオコちゃんはこれがテニスだって教えてくれた」
南原「お前、いいように扱われてるよ。だめだなあ」
内村「だけど俺、ナオコちゃんが好きになったんだ。真剣なんだよ」
南原「しょうがねえな。じゃあ、俺が応援してやるよ」
内村「えっ(と近づく)」
南原「あの子のこと、よく知ってるから。応援してやるよ。告白したのか?」
内村「告白する前にいつも殴られるからさ」
南原「電話だと大丈夫だ」
内村「そうだ、電話は殴らないからな」
南原「俺をナオコちゃんだと思って、電話してみろ」
内村「(電話を掛ける)トゥルトルトルー、トゥルトルトルー」
南原「(電話機を操作する)」
内村「逆探知してどうするんだよ。逆探知してどうするの」
南原「ははは、若い、若い」
内村「何が若い、若いだよ。それやめてくれよ、同い年でしょ」
南原「いいか、年頃の女の子がいるうちは、ガードが堅いんだよ」
内村「ホント?」
南原「月に1回は電話番号、変わるんだよ」
内村「なるほどな~」
南原「それわかったら、次行け」
内村「トゥルトルトルー、トゥルトルトルー」
南原「カシャ(と受話器を取る)」
内村「もしもし」
南原「カメよ」
二人「カメさんよ」
内村「まじめにやってよ」
南原「悪い」
内村「もう1回行くからね。トゥルトルトルー、トゥルトルトルー」
南原「もしもし」
内村「あっ、ナオコちゃん」
南原「(渋い声で)元気よ」
内村「お父さんですか?」
南原「母の千代でございます」
内村「いったい誰なんだよ。いったい誰なのよ」
南原「ははは、青い、青い」
内村「何が青いんだよ。やめてくれよ、それは」
南原「いいか。お前の気迫が感じられねえからな、父ちゃんとか母ちゃんとかが出るんだよ」
内村「気迫」
南原「気迫を持って、ナオコちゃんと話をするんだ、って行ったら、大丈夫なんだよ」
内村「男らしく電話かけろってこと?」
南原「そう」
内村「じゃあここに電話ボックスがあるとしてさ、男らしく電話かけるってのをやってみてよ」
南原「よし。(体を震わせて)へっ」
内村「なにがへ、だよ」
南原「(両手を伸ばして体を横に震わせながら)気合だよ、気合」
内村「早く電話かけろよ」
南原「へへへ(と電話ボックスの扉を開ける)」
内村「男らしいな」
南原「(どこかを探った後、何かを見つけて)ラッキー」
内村「せこいことするなよ、せこいよ」
南原「(見つけた十円玉を入れ、ダイヤルを回す)もしもし、南原です」
内村「おう、強い口調だ」
南原「ナオコさんをお願いします。(口調が変わり)あっ、ナオコさん。僕です、南原です。お金用意しました、明日の三時に持っていきます、どうも(と受話器を戻す)」
内村「太鼓持ちじゃないか。どうすんの、全然男らしくない。どうするんだよ、この太鼓持ち」
南原「(ダイヤルを回しながら)どうせ、俺は、太鼓持ちで、おまけに、父ちゃんは、大工だよ(とやみくもにダイヤルを回す)」
内村「(南原を止めながら)こら、電話が壊れちゃうよ」
南原「(何かを見つけた南原が、赤いボタンを押そうとする)」
内村「(南原を止めながら)こら、だめだよ。110番を押しちゃ、いけないよ」
南原「(ボタンを押した後)逃げろ」
内村「何やってんだよ。全然男らしくないじゃないか」
南原「そうか」
内村「もういいよ、俺一人で悩むから」
南原「内村、最後の手段がある」
内村「なに、最後の手段って」
南原「いいか、身内を味方に引き込むんだよ」
内村「身内?」
南原「身内を仲間に入れて、最後に本人を落とすんだよ」
内村「親と仲良くするということか」
南原「じゃあ、俺が親だと思って、話を付けてみろ」
内村「うん」
南原「(いきなりカンナを掛ける)シュ、シュ」
内村「ナオコちゃんのお父さん、何をやってるんですか?」
南原「父ちゃんは大工だ!」
内村「ナオコちゃんのお父さんも、大工だったんですか?」
南原「ニッポンの父ちゃんは、みーんな大工だ」
内村「わけわからないよ。ちょっと待ってよ」
南原「えっ?」
内村「何でお父さん、いつも大工なの」
南原「じゃあ、おかあさん」
内村「おかあさん」
南原「お母さんは女の子同士だから、子供の気持ちわかってる」
内村「よし、そうだ。お母さんに、会いに行ってみよう」
南原「(なぜか斧を振りかぶり、木を切っている)カコン、カコン」
内村「ナオコちゃんのお母さん、何をやってるんですか?」
南原「母ちゃんは木こりよ! (けりを入れながら)ほうら、木が倒れるわよ」
内村「お母さん、話があるんだけど」
南原「話?」
内村「あの、僕、お宅のお嬢さんと、お付き合いがしたいんです」
南原「確か、内村君って言ったわよね」
内村「はい」
南原「人生はね、この切り株のごとしなの」
内村「人生は切り株のごとし?」
南原「そう」
内村「どういう意味なんですか」
南原「年輪が一つ一つ刻んでいくうちに、人間も一つ一つ大きくなっていくものなの」
内村「あー、で、何が言いたいんですか」
南原「木が倒れるぞー」
二人「(一緒に踊りながら)ギャラップ、ギャラップ、ワンツー、ワンツー」
内村「何が言いたいんですか。結局、何が言いたいんですか!」
南原「わからん!」
内村「わからんじゃないでしょ。もう駄目だよ。なんか俺、自信なくしてきちゃったよ」
南原「内村、ああいう家族とは付き合わない方がいいよ」
内村「俺、あきらめようかな」
南原「あきらめた方がいいって。なっ」
内村「まだ恋は早いかな」
南原「早い!」
内村「そうかな」
南原「俺がいるよ」
内村「そうだな」
南原「ああ」
内村「じゃあ、二人で散歩でもしようか」
南原「(腕時計を見ながら)悪い、これからちょっと用があるんだ」
内村「えっ、なに」
南原「ちょっと、デートの約束があるんだ」
内村「誰と?」
南原「ナオコちゃ~ん、大好きだよ~~ロレイホォ~~」
内村「いいかげんにしろ」
二人「どうも、有難うございました」

「準決勝の方がよかった」「新人なのにここまでやったことはえらい」「ネタ疲れはあったと思う」「オチが弱かった」と今一つ。
第6回オープントーナメントサバイバルシリーズ準決勝 94点○ No.292 1985年12月21日放送)

 パジャマ姿の内村。
 入院して1週間。沢山の友達が見舞いに来たが、来てほしくない友達もいる。南原!
 そこへ登場したのは、学生服姿姿の南原。
 内村は南原に悩みを打ち明ける。自分は不治の病ではないかと。
 南原は必死に否定するが、最後の一葉は南原が自分で取ってしまうし、持ってきた本は丹波哲郎の「大霊界」。歌を歌えば「お馬の親子」でポックリ♪
 オチは、友達のいない兄内村のために、弟南原がお芝居を付き合ってあげたというもの。
第6回オープントーナメントサバイバルシリーズ決勝 88点4位(敢闘賞) No.294 1986年1月18日放送)

 陸上部のキャプテン(南原)と後輩(内村)。しかし走る練習を全然しないキャプテン。実はキャプテンは、走るのが大嫌い。ところがキャプテンが転校する。喜ぶ後輩。最後だと言って、海まで競争をする二人。
(第3回爆笑紅白大合戦1回目 92点 No.296 1986年2月1日放送)
第6回オープントーナメントサバイバルシリーズでも披露?)

学ランと半被を着た二人が登場。内村は眼鏡。
南原が腰に手を当てポーズを決め、内村は膝まづく。
南原「内村、とうとうバレンタインデイがやってきた」
内村「(立ち上がりながら)先輩。我々バレンタイン研究部、やっと、やっと、日の目を見る日が来ましたね」
南原「そーともさー」
内村「先輩、珍しい言葉を使いますね」
南原「内村、この日を祝って、あれをやろう」
内村「(顔をしかめながら)あれやるんですか」
南原「当たり前だろう」
内村「本当にやるんですか」
南原「ちゃんと正装してきたろう」
内村「どう見ても学園祭のたこ焼き屋です。バレンタイン研究部には見えません」
南原「いいからやるんだよ」
内村「わかりました」
南原「行くぞ、よー」
二人「スットントンカラッタッタ、トトンガトン(太鼓をばちでたたく真似)」
南原「それ(合いの手)」
内村「(歌いながら)年に一度のバレンタイン」
南原「あ、それ」
内村「学園祭で大儲け」
南原「あ、それ」
内村「チョコが飛び交う、あ、どっこいしょ(歌忘れたっぽい)」
南原「それ」
内村「あーそれそれ。フィーバーさ(歌と踊り終わり)」
南原「祭りだから、わかんねえよ(とごまかす)」
南原「(二人で両手を後ろに組みながら)一つ!」
内村「義理チョコは絶対もらわない」
南原「一つ!」
内村「手作りのチョコは本命のチョコと思え」
南原「一つ!」
内村「人を見たら泥棒と思え」
南原「一つ」
内村「角出せ槍出せ頭出せ」
南原「よーし」
内村「先輩、どういう意味ですか、これ」
南原「冗談だよ冗談」
内村「じゃあ早速、クラブ活動始めましょう」
南原「了解。仕上げに入ろう。まずは素振りの練習からだ」
内村「素振り?」
南原「いくぞ。よしよしよーし(と、両手を伸ばしたり縮めたりする)」
内村「なんですか、それは」
南原「素振りだよ。チョコレートをスムーズにもらうための素振りだよ」
内村「ああ、チョコレートをもらった時の手の動作なんですね」
南原「格好よくもらうためだよ」
内村「わかりました」
南原「よしいくぞ。正面から来た」
二人「(手を伸ばして縮めて)一、二」
南原「右から来た」
二人「(手を伸ばして縮めて)一、二」
南原「左から来た」
二人「(手を伸ばして縮めて)一、二」
南原「次は上から来たぞ」
二人「(上へ向かって手を伸ばして縮めて)一、二」
内村「先輩、上から渡す人なんているんですか」
南原「馬鹿野郎。もし女の子が2mの身長だったらどうするんだよ」
内村「わかりました、わかりました」
南原「次は応用編だ」
内村「応用編?」
南原「あらゆるシチュエーションの中で、どうやったチョコレートをもらうかが大切だ」
内村「わかりました」
南原「シチュエーションその1、剣道部の女の子の場合」
南原「(向かい合いながら)内村君、行くわよー(と、竹刀を振り下ろすマネ)」
内村「(竹刀にまねたてを真剣白刃取りでがっちりと握りながら)真剣、チョコレート取り」
南原「続いてシチュエーションその2、バレーボール部の女の子の場合」
南原「行くわよ、ソーレ(とスパイクを打つ真似)」
内村「(返そうとして転ぶ)」
南原「ソーレ」
内村「あっ(と反対側に転ぶ)」
南原「ソーレ」
内村「あっ(と倒れてうずくまる)」
南原「どうしたの、行くわよ」
内村「ダメだ、俺は情けない男だ。チョコレートなんて、チョコレートなんてもらう資格なんかないんだよ」
南原「その笑顔が素敵。今まで渡したのは義理チョコ。これが私の本チョコよ」
内村「と同情を引いて本チョコをもらう」
南原「やるな」
内村「さあ、僕はやりますよ!」
南原「やるな、内村」
内村「先輩、これで僕は完璧です。仕上げは」
南原「(さえぎるように)先走るんじゃねえよ」
内村「仕上げはこれで」
南原「一番大事なことを忘れてる」
内村「大事なこと?」
南原「一番大事なのは、チョコレートをもらった時のリアクションだ」
内村「もらった時のリアクション?」
南原「そうだ。この時の返事一つで、恋に発展するかどうかが決まるんだ」
内村「恋人ができるかもしれないんですか」
南原「独り者じゃなくなるぞ」
内村「巧く行ったら彼女と」
二人「バレンタインデイ、キッス(国生さゆり風に)」
南原「冷めてくぞ~」
内村「会場が冷めてしまいました」
ここ、笑い声が大きくて何を言っているのかわからない。
内村「さあ、先輩」
南原「じゃあ、俺が見本を見せるから、お前が女の子になってチョコレートを持ってこい」
内村「わかりました。(チョコレートを持って駆け寄りながら)南原君、これ私の気持ち、受け取って」
南原「ハハハハハハ、お断りだぁ~」
内村「どうしてですか!」
ちょっと間が空き、
内村「本命はだれなんですか」
南原「お前こそ、誰なんだよ」
内村「先輩が言ったら、教えますよ」
南原「よし、じゃあ、同時に言おう」
内村「同時に言いましょう」
南原「嘘、着くなよ」
内村「わかりました」
二人「せーの、2年C組の裕子ちゃん!」
内村「先輩、汚いっすよ。私は4月の時からあの子に目を付けていたんですよ。熱い視線送っていたんですよ」
南原「馬鹿野郎。俺だって廊下ですれ違った時、気が付けよこっち来い、気がつけよこっち来い、って言っていたんだよ」
内村「じゃあ、僕と先輩はライバル」
南原「そうだ。キャラバンが優勝し、俺たちはまだ百万円を」
内村「それ、サバイバルだ」
南原「………」
内村「でも先輩、あきらめた方がいいですよ」
南原「なんでだよ」
内村「彼女はA型のふたご座、僕はAB型のかに座。相性は最高にいいんですよ」
南原「内村。お前、本当の彼女を知らないだろう」
内村「何か彼女の秘密を握っているんですか」
南原「彼女はな、彼女はな、彼女の足は臭い」
内村「まさか、彼女は学園のマドンナだ」
南原「まだあるぞ。彼女のへそには、まだへその緒がついている」
内村「えー」
南原「こんなでかいへその緒だ」
内村「へその緒?」
南原「それにな。彼女のお兄さんは、パンチパーマだ」
内村「パンチパーマ」
南原「どうだ、彼女、あきらめろ」
内村「先輩、彼女にお兄さんいません。そんな嘘、すぐばれてしまうんですよ」
南原「(唖然とした表情)」
内村「あれ、裕子ちゃんだ、チョコレート持ってる」
南原「俺のだ」内村「僕にだ」(二人同時に言う)
南原「負けないぞ」
二人、同時に駆け出し、争いあう。
内村「あっ、生徒会の伊集院に、チョコレートを渡している」
南原「手作りの、しかも本チョコだよ」
内村「できてたのか、あの二人。じゃあ俺、今まで何でこんなことやっていたんだろう」
南原「内村、くよくよするな」
内村「えっ」
南原「新しいクラブを作るぞ」
内村「新しいクラブ。なんですか、それは」
南原「卒業式の第二ボタン研究部だ」
内村「いい加減にしろ」
(第3回爆笑紅白大合戦2回目 92点 No.300 1986年3月1日放送)
第6回オープントーナメントサバイバルシリーズでも披露?)

内村「ウッチャンナンチャンがお贈りする、題して」
二人「人間ウォッチング」
内村「世の中には変わった人、不思議な人がいます」
南原「常識では計り知れない人がいます」
内村「そのいくつかをこれから紹介していきましょう」
南原「はい」
内村「まず最初に」
南原「最初に」
内村「ものすごい反射神経が鈍い人」

南原「(背中越しに内村に声をかける)やあ、内村」
内村「(非常にゆっくりと首を後ろに向け)よお」

内村「続いてものすごーく勘の悪い人」

内村「(少し離れたのち、手をあげて)おおい、南原、こっちだ」
南原「(内村と反対方向を見て)うん?」

内村「続いて、ものすごく進化の遅れた人」

南原「(少し離れたところの内村に)おい、内村」
内村「(サルのまねをしながら近づき)あぅ」

内村「以上のような人たちを、街角でよく見かけますね」
南原「いやいやいや、あまり見ない」
内村「あまり見ない」
南原「うん」
内村「それから普通の人でも、何か初めてのことをするとき、数多くの失敗をします」
南原「はい」
内村「まず初めにご紹介するのは、始めてファーストフードのお店に行った人を見ていただきましょう」

南原「(周りをきょきょろする南原)」
内村「いらっしゃいませ」
南原「(驚く南原)おぅ」
内村「こんにちは」
南原「こんにちは、ご丁寧に。どうもはじめまして、南原でございます」
内村「(南原が上の方を見ているので)どうぞこちらをご覧になってください(とメニューを見せる)」
南原「こっち? なんで上に書いてあるの?」
内村「ファーストフードですから」
南原「よくわかんないけど、まあいいや」
内村「何になさいますか」
南原「(指さしながら)これ」
内村「フィレオフィッシュでございますね」
南原「フ、フ、フ、フリオ・イグレシアス?」
内村「フィレオフィッシュでございますね」
南原「テニスラケット?」
内村「チキンナゲットでございますね」
南原「ああ、はい」
内村「今のわざと間違えましたね」
南原「よくわかりましたね」
内村「ファーストフードですから」
南原「あああ」
内村「他には何になさいますか」
南原「じゃあ、ポテト大盛で」
内村「Lでしょ?」
南原「えっ?」
内村「Lですね」
南原「あら、やだ。恥ずかぴ!」
内村「ポテトのLですね」
南原「これ、何ですか」
内村「えっ?」
南原「スマイル0円って」
内村「当店では、スマイルはサービスとなっております」
南原「スマイルSって何なんですか」
内村「スマイルのSでございますか」
南原「S!」
内村「かしこまりました。(ちょっとだけ笑って)Sでございます」
南原「じゃあ、このスマイルLというのは?」
内村「Lでございますね」
南原「Lというのは」
内村「(ジャンプして手を後ろにやり、耳をつまみながら)はあい、ペロペロペロ。Lでございます」
南原「あなたこの場で浮いていませんか」
内村「いえ」
南原「何ですか、ペロペロペロというのは」
内村「自分でもよくわかりません」
南原「じゃあ、Lを二つで」
内村「はあい、ペロペロ。はあい、ペロペロ。はあい、ペロペロ」
南原「いらないや」
内村「有難うございました」

内村「このように、やたら愛想のいい店員さんに驚かないようにしてください」
南原「はい」
内村「続いては、自動車学校において、始めて路上運転をする人を見ていただきましょう」

内村「自動車学校に入って早一か月。なんとか仮免許の試験にも受かり、今日初めて路上運転の日です。さあ、早く免許を取って、彼女とドライブしたいな。そして誰もいない海で車を止めて、彼女のリクライニングシートを倒して、ぐふふ(とよだれを拭く)。いけないいけない、こんなことをしている場合じゃないや。走る前の点検だ。前照灯良し。番号表示良し。空気圧異常なし。ロックして、ハンドルは10時10分に持って、ようし、頑張るぞ」
南原「(登場してきて、鼻をほじりながら)さあ、行くぞ。カード見せて」
内村「(カードを渡し)今日から路上で(なぜか南原、何かを捕まえるポーズ)それはドジョウです」
南原「お笑い好きなの?」
内村「はい。ああ、いいサンダル履いてらっしゃいますね」
南原「これが楽なんだよ」
内村「このマスコット人形、彼女が作ってくれたんですか」
南原「俺が作ったんだよ。好きなんだよ、こういうの作るの。早くベルト締めろ」
内村「はい、シートベルト。(なぜか巻き取るポーズをして、南原にどつかれる)」
南原「いいんだよ、たくらなくて。こうやって入れればいいんだよ」
内村「はい」
南原「エンジンかけて」
内村「ドルドルドルドル……がくん、がくん、がくん(二人大きく揺れる)」
南原「何やってんだよ」
内村「(何かしゃべっているがわからない)」
南原「いいんだよ、行けよ、ほら」
内村「(発信しようとするが、ギアがうまく入らない)あれ?」
南原「何やってんだよ」
内村「今日、路上初めてなもんで、緊張していて」
南原「ギアチェンもできないのかよ。よく見ておけ」
内村「はい」
南原「ロー。セコンド。イカンガ。ロゼフ。ラストは増田明美だよ」
内村「(口を開けてぽかーん)」
南原「わかんなかったらいいよ。さあ、行くぞ」
内村「(ブーン)」
南原「はい、そこ右曲がって」
内村「(ハンドル回しながら、自分も回って一周してしまう)」
南原「お前が曲がるんじゃないよ。車を右にするんだよ。はい、右曲がって」
内村「はい」
南原「左」
内村「はい」
南原「はい、右」
内村「(南原が曲がる音を出しているので)効果音、有難うございます」
南原「(ここ、何を言っているのかわからない)」
南原「(ここも何を言っているのかわからない)」
内村「(内村、いきなりジャンプする)」
南原「ホッピングやってんじゃねえよ」
内村「(ジャンプして、二―ドロップ)」
南原「それはスワッピングだよ」
内村「あの、ストンピングの間違いじゃないでしょうか」
南原「ストンピングだよ」
内村「ブーン。あ、狭い道路に差し掛かりました。これは車一台通れそうにありませんよ。」
南原「大丈夫だ、いけるよ」
内村「こうなったら、仕方ない、えい。片輪走行だ」
二人「バウンバウン」
南原「ヒヤッホー」
内村「何ですか、それは」
南原「結構楽しんでるんだ」
内村「あ、前の車の衝突しそうです」
南原「よけれ(内村は左に、南原は右によける)」
内村「どういう車なんですか」
南原「いいから行け」
内村「ほら、そんなこと言っているから、パトカー追いかけてきましたよ。どうすればいいんですか」
南原「逃げろ」
内村「やけ起していませんか」
南原「大丈夫だ。いいから逃げろ」
内村「110キロ」
南原「とばせとばせ」
内村「120キロ」
南原「まだまだ」
内村「130キロ」
南原「いけいけ」
内村「140キロ」
二人「ブーン(のけぞる)」
南原「やばい。また30年前に戻っちゃった」
内村「バックトゥザフューチャー!」
南原「以上、人間ウォッチングでした」
二人「どうも有難うございました」
第7回オープントーナメントサバイバルシリーズ1回戦 99点○ No.308 1986年5月3日放送)

 張り込み中の新人刑事の内村。実はマザコン。そこで現れたヤクザ。実は内村と高校時代のクラスメイトだった南原だった。
第7回オープントーナメントサバイバルシリーズ2回戦 93点○ No.313 1986年6月7日放送)

 内村のマザコン刑事。南原が母親。
 10回目のお見合いに失敗し、銀行に籠城している為島を内村刑事が説得しているところへ、母親の南原が登場。必死に説得を続けるが、南原が茶々を入れて失敗。最後は籠城している銀行に二人で突入、見事犯人逮捕!……と思ったら、実は朝仕事に出かける前の訓練だった、というオチ。
第7回オープントーナメントサバイバルシリーズ準決勝 96点○ No.315 1986年6月21日放送)

 忘れ物をした教育実習生内村と、それに付き合う元同級生で用務員の南原。夜中に忘れ物を取りに行くが、12時を過ぎると何かが出ると南原に脅され、結局二人で取りに行くことに。ところが南原が色々と脅し、そのたびに内村が悲鳴を上げる。
 色々あったが、何れも幽霊ではなくホッとする内村。忘れ物は、実習で内村を馬鹿にした生徒の名前を貼った藁人形だった。
第7回オープントーナメントサバイバルシリーズ決勝 99点○優勝 No.317 1986年7月5日放送)

 映画『卒業』ネタ。恋人の陽子が結婚するので教会まで来た内村だったが、やっぱり帰ろうとすると、牧師(南原)が登場。実は内村と南原は高校時代のクラスメイト。
エピソード
 稽古場の黒板にネタみせするメンバーが順にADによって書かれるのですが、そのとき勝手に芸名がきまってしまうケースがよくありました。ウッチャンナンチャンがそうでした(最初の名前は「ちょうなんず」だった)。
コンビ名の由来
「カンナビール」→「ちょうなんず」→「ウッチャンナンチャン」

 はじめに二人の実家の名前を付けようとして内村が熊本の大工屋、南原が香川の酒屋というところから「カンナビール」とつけようとしたがあんまりしっくりくるものが無く却下。学生(日本映画専門学校)当時、内村は「ウッチャン」、南原は「南原」と呼ばれてるか、顔が似ていたためか「蟹江敬三」と呼ばれていたらしいが無理矢理「ナンチャン」と呼ばせて「ウッチャンナンチャン(仮)」で日本テレビにコンビ名を一応提出。次に二人の共通点をコンビ名に付けようとしたら、二人とも長男だったので「ちょうなんず」ってのはどうかしら、今までの芸能界に無い発想じゃないかと日本テレビに「ちょうなんず」で行きたいと言いに行ったら、もう既に大道具の技術スタッフが電光掲示板に「ウッチャンナンチャン」の表記してしまったと言われてガッカリしたらしい。
 ウッチャンナンチャンは当時コンビ名に不満があったらしく、年を取って「ウッチャン」「ナンチャン」は無いよなといっているらしい。定着してきたから何の違和感も無いが、当時コンビ名を変えたくて仕方なかったそうだ。
 当時内村と南原はキャラクターがハッキリしていなかった為、PDから「内村、メガネをかけろ」と言われたそうだ。だから内村光良はサバイバルシリーズのコントのほとんどがメガネをかけていた。もし内村がメガネで大成していれば「ウッチャンナンチャンのメガネのほう」と呼ばれていたはず……。
 出演初期の頃は、「ウッちゃんナンちゃん」と表記されていた。
 番組後期の女性人気は、松竹梅と並んでダントツだった。三番手がPALCO
 内村光良が監督した映画『ボクたちの交換日記』(2013年3月23日公開)の完成披露試写会で、内村は過去のコンビ解散危機を告白。「1回だけあります。『お笑いスター誕生!!』3回目の挑戦の時。今度優勝できなかったら解散しようかって私が言ったら、南原も『いいよ』って。そしたら優勝しちゃったんで、そこから冬の時代…営業の日々が始まった」と苦笑いで振り返った。
感 想
 『お笑いスター誕生!!』に出ていた頃は若者向け青春コントが主流。後期の会場人気は松竹梅とともにダントツでした。
 ショートコントというジャンルはこの人達が流行らせたと思います。とんねるずとともに『お笑いスター誕生!!』が生んだ二大スター。
受賞歴
 1988年 第26回ゴールデンアロー賞芸能賞新人賞受賞「フレッシュなコントがデビュー以来好評。ユニークなギャグのセンスは期待性十分」
 1990年 第6回浅草芸能大賞新人賞受賞
その後・現在
 ゴールデンタイムで冠番組を数本持つなどの売れっ子に成長。その後の活躍はここに書くまでもなし。
 所属するマセキ芸能社のオフィシャルサイト、マセキ芸能社 ホームページ内に、タレントプロフィール、活動情報が載っています。
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名 前
海原さおり・しおり
初出場
 1980年10月25日(第1期グランプリシリーズ)
実 績
 5週勝ち抜き、銀賞獲得。
 第1回ゴールデンルーキー賞出場。
 第2回ゴールデンルーキー賞〈決戦シリーズ〉進出。
ジャンル
 漫才。
プロフィール
 海原さおり:本名西山(旧姓弥永)日呂子。1957年5月22日生。京都府出身。
 海原しおり:本名網谷(旧姓阪本)しおり。1955年1月26日生まれ。鹿児島県出身。
 コンビで1977年に「美空ひばり特別公演」に出演。1978年、「花の110番しおり・ひろこ」としてデビュー。翌年に海原小浜に弟子入りし、「海原さおり・しおり」に改名した。ケーエー・プロダクション所属。
ネ タ
(多分1週目合格 一応、ミニスカート、関係ないけれど No.29 1980年10月25日放送)

(客席から、(酒井)とお~るちゃんの声)
しおり「(客席を見て怒りながら)だれがとおるちゃんよ」
(客席からしおりちゃんの声)
しおり「はあい。可愛いでしょ、ホンマに」
さおり「自分で可愛いっていっちゃだめでしょ」
しおり「そう?」
さおり「自分で言うと、やらしい」
しおり「そうかな」
さおり「綺麗でしょ」
しおり「おんなじやないの」
さおり「でもね、私たちのことピンクレディーみたいって」
しおり「そうそう、子供たちがね」
さおり「あ、あの人ケイちゃんみたいって」
しおり「そうそう、私のことを指差して」
さおり「ブーちゃん」
しおり「やかましいわ」
さおり「もう私らね、付き合い出して2年になるんです」
しおり「もう2年ですよ、早いです」
さおり「全然違うでしょ、私ら」
しおり「そうそう、パッと見た感じからして、全然違うでしょ」
さおり「お花に例えたらね」
しおり「私なんか、ひまわり」
さおり「明るい感じでね」
しおり「この人なんか、ぼけ」
さおり「何てこと言うのよ」
しおり「怒らんでもいいじゃない」
さおり「着るものだって違うんですよ」
しおり「着るものも違います」
さおり「私なんかね、割と流行を追う感じなんでね」
しおり「割と、ナウい感覚なんです。ウェスタンルックに、地下足袋履くんです」
さおり「やめて。どういう感覚なのよ」
しおり「その点、私なんてね、体からファッショナブルがにじみ出てね。(低い声で)ファッショナブル~って感じで」
さおり「帰らせてもらうわ」
しおり「まってよ、本当に」
さおり「私ね、こう見えても京都なんです。京都でね、竹の子族なんです」
しおり「古いわ、古い。あんた、おばんか」
さおり「なによ」
しおり「私なんかね、大坂で、マツタケ族」
さおり「あるか、そんなの。」
しおり「いちいちうるさい子やわ。だけどね、性格も違うんですよ」
さおり「そうですね」
しおり「パッと見、遠慮深いところあるんですよ」
さおり「そうなんですよ、ほんまに」
しおり「こないだだって、喫茶店へ行って帰りしなにお金言われて、遠慮してそのまま帰っていって」
さおり「食い逃げやないの」
しおり「いちいちうるさいわねえ。この人なんか、全然遠慮しませんからね」
さおり「どっちかというと、そういうとこあるね」
しおり「この間喫茶店に行ったら、トイレットペーパー(両手で抱える格好で)持って帰って」
さおり「アホか。この人かてやらしいんですよ」
しおり「何がやらしいの」
さおり「コーヒーカップ盗むんですよ」
しおり「誰がコーヒーカップなんか盗むか。スプーンだけやないの」
さおり「アホや。盗んでるやないの」
しおり「いいじゃないの別に。いちいちうるさいわねえ。でもね。性格も違うけれど、趣味も違うんですよ」
さおり「趣味は全然違うね」
しおり「そうよ」
さおり「私、本読むの好きでね」
しおり「あんた、本読むの好きかいな」
さおり「そうよ」
しおり「私かて、本読むの好きやわ」
さおり「これは奇遇やわあ」
しおり「あんた、今何読んでんの」
さおり「私、四季・奈津子。あんたは」
しおり「私、電話帳」
さおり「アホか。電話帳読んで、どないすんの」
しおり「冗談もわからへんの。いやや思いません」
さおり「あ、冗談ね」
しおり「私今読んでんの、ドラえもん」
さおり「アホか」
しおり「いいやないの、漫画かて立派な本や」
さおり「何となく似てませんか、ここの彼女。わかりませんか。じゃりん子チエ」
しおり「誰がや」
さおり「そっくりやで」
しおり「まあ、ええよ。ほんまに似てると思うねん、私。この間ね、監督さんがウチのところ来て、チエの映画作るから、チエの役で出てくれまへん?って」
さおり「主役ですよ、主役」
しおり「私、主役ですよ。この人も出てくれないかって」
さおり「そう、共演者としてね、出てくれって」
しおり「通行人」
さおり「アホか」
漫才のつかみ

さおり「ハイどぉ~も こんにちは「海原さおり・しおり」でぇ~す」
しおり「可愛いでしょ……」(……と必ずお客に同意を求める)
 さおりがしおりのことを良く高木ブーに似てるといっていました。
さおり「さおりちゃんは牛乳風呂にはいります」
しおり「しおりちゃんは牛肉風呂にはいりました。今度は、牛と一緒にはいりたいと思います」
テンポがいいので笑ってしまった。
 漫才の内容は毎度同じさおりが落ち着いた大人っぽいツッコミ、しおりが子供っぽいボケなのだが……
 さおりがしおりに対しあまりにヒドい中傷した時にしおりが使うギャグ

「エーンエーン しどい しどいわ(ヒドい ヒドいわ)! どぼちて どぼちて!(どうして どうして)こんなに可愛いししおりちゃんを、そんなにそんなにイジめるの? エーンエーン(ウソ泣き)……可愛いでしょ~!!」
(ゴールデンルーキー賞〈激突シリーズ〉4回目 37点 No.77 1981年9月26日放送)

 ヒッチハイクのネタ。
さおり「ヘイ ほらほら、さおりの方にランボルギーニが止まった」
しおり「ヘイ」
さおり「ほらほら、しおりちゃんの方に、トラクターが止まった」
さおり「ヘイ ほらほら、さおりの方にポルシェが止まった」
しおり「ヘイ」
さおり「ほらほら、しおりちゃんの方に、おじいちゃんの運転している軽トラが止まった」
しおり「なんでさおりちゃんの方ばかりいい車止まるの?」
(ゴールデンルーキー賞決戦シリーズ3回目 40点 No.86 1981年11月28日放送)

 二人とも浴衣で漫才。男たちの視線を集める。
エピソード
 銀賞を取ったとき、しおり思わず泣き出す。
 審査員のタモリは、海原さおり・しおりをひいきしていた。これは本人も公言していたため、裏話ではない。
 レコード「大阪パラダイス」は知名度ゼロの漫才が、えらい宣伝は派手だと思ってました。
 売れてからは、何か出してるのでしょうか?
 お笑い勢の、のど自慢番組では常連で「ろくでなし」とか「お祭りマンボ」とかはかなり気合いはいってましたが。お笑いスタ誕でも、レギュラーメンバーののど自慢があって「ろくでなし」を歌ったと思います。
感 想
 海原さおりの方が背が高く美人、しおりの方が背は低くちょっと幼い、というイメージでした。アイドル漫才として売り出し中でした。
受賞歴
 1980年 第1回ABC漫才・落語新人コンクール審査員奨励賞
 1980年 第11回NHK上方漫才コンテスト優秀賞受賞
 1981年 第16回上方漫才大賞新人奨励賞受賞
レコード
「大阪パラダイス」(1979.12)
「MR.DOCTOR」(1982.7)
「好きなら好きやというてんか」(1991.5)
 私がガキの頃、さおり・しおりが地元のスーパーに営業に来ました(レコードのキャンペーンと言った方が聞こえがよいかも知れませんが…)。
 その時に歌ってた曲は(上手かったので強烈な印象が残っています)「大阪パラダイス」と「ろくでなし」でした。
 推測ですが「ろくでなし」がB面だったのではないかと……(注:違います)。
 ちなみに「大阪パラダイス」は「大阪ラプソディー」の再来!!という触れ込みでした。
その後・現在
 90年ぐらいにしおりの化粧が「不良少女とよばれて」の伊藤麻衣子ばりに濃くケバくなるが、二年ぐらいして元に戻る。あれは何だったのだろうか。あのケバい化粧の期間は「高木ブー」のギャグは使えなかったに違いない。
 主婦の井戸端会議風漫才として活躍。その他、講演や単独での舞台なども。
 海原さおりは1985年に大木こだまと結婚。女児2人の母。長女は、静岡第一テレビアナウンサーの西山加朱紗。
 海原しおりは元競艇選手の網谷茂と結婚。一男一女を産んだが、2005年2月に離婚。
 創新美味 しおりは海原しおりの店。元々は元旦那の網谷茂がオーナーだったが、離婚後はしおりがオーナー。2008年に「調理師免許」を取得した店主のしおり自らが1階カウンターの板場を仕切っている。寿司職人はしおりの実兄。しおりの体調不良が理由で2012年8月16日に閉店した。
 2009年2月1日には大阪で、2月21日には東京で30周年記念公演を開催。しかし2009年5月に長年所属していたケーエープロダクションを退社。その後はフリーとして活動していたが、2010年2月19日付で吉本興業に所属。
 所属する吉本興業のオフィシャルサイト内のタレントプロフィールに、活動情報などが載っています。
 しおりは2012年7月6日、なんばグランド花月での通常公演の出番を終えた後、「フラフラする」とめまいに似た症状に見舞われ、兵庫県内の病院に入院した。検査の結果、初期の脳腫瘍と診断された。8月27日に、大阪府内の病院の脳神経外科に再入院。手術を受けた後、放射線など再発防止のための治療を行い、2012年度の仕事をすべてキャンセルした。
 その後、定期的に通院していたが、2013年12月下旬に体調を崩し、再入院。2014年1月2日に容体が急変し、意識がなくなった。2014年1月3日午前8時33分、脳腫瘍のため、入院先の大阪府豊中市内の病院で死去した。58歳没。
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名 前
海原はるか・かなた
初出場
 1980年7月19日(第1期グランプリシリーズ)
実 績
 2週勝ち抜き。
ジャンル
 漫才。
プロフィール
 海原はるか:本名酒和泉秀一。1948年5月6日生。熊本県出身。
 海原かなた:本名西尾伊三男。1947年11月12日生。奈良県出身。
 海原小浜の弟子。1970年8月デビュー。
ネ タ
 不明。
感 想
 不明。
受賞歴
 2000年 第35回上方漫才大賞奨励賞受賞
その後・現在
 しばらく雌伏期が続いていたが、1999年頃から海原はるかのハゲネタがヒット。かなたがはるかの頭をフーと吹くと、地肌が表れる。しかし、くるっと頭を振ると髪の毛が元に戻るというネタです。
 所属する松竹芸能のオフィシャルサイト、松竹芸能 オフィシャルサイト内のタレントプロフィールに経歴等が載っています。
 松竹芸能師匠たちのオフィシャルブログ「アラ還ブログ」があります。酒井くにお・とおる横山たかし・ひろし、海原はるか・かなたによる癒し系ブログです。海原はるか師匠の書き込みが圧倒的です。
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