横溝正史少年小説コレクション(柏書房)



【横溝正史】
 1902年(明治35)生まれ、1981(昭和56)年没。大正期より執筆活動を始め、伝説の雑誌「新青年」編集長として江戸川乱歩に名作『陰獣』を発表させるなど編集者としても活躍。戦後まもなく『本陣殺人事件』『蝶々殺人事件』という傑作長篇を発表、前者で第1回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞する。以後『八つ墓村』『犬神家の一族』など名探偵・金田一耕助を主人公とする名作群で探偵小説界の第一人者としての地位を不動のものに。70年代の角川文庫によるリバイバルと金田一シリーズの映画化によって大ブームとなり、最晩年にも大作『悪霊島』を発表、生涯現役を貫いた。その作品は以後も読み継がれ、新たな映像作品化も数多い。
(「作者紹介」より引用)


【横溝正史少年小説コレクション】
 角川文庫旧シリーズの横溝作品は一九七一(昭和四十六)年の『八つ墓村』から八五年の『風船魔人・黄金魔人』まで八十九冊に及び、そのうち十六冊が少年物に充てられていたが、現在はいずれも入手困難である。大量の横溝作品を手軽に読めるようにしてくれたという点で、角川文庫の功績は非常に大きかったが、一方で国民的ともいえる横溝ブームを背景にした大量出版の弊で校訂の面では不満の残る本も多い。特に少年ものでは、いわゆる「差別後」の改変のみならず、探偵役のキャラクターを金田一耕助に書き換えてしまっているものもあり、オリジナルのテキストからは程遠いと言わざるを得ない状態であった。
 そこで今回のシリーズでは基本的に初刊本(角川文庫で初めて本になった作品については初出誌)に準じた形で校訂を行い、挿絵についても可能な限り再録を試みた。これによって横溝正史の少年向けミステリは、ようやく本来の形を取り戻したといっても、決して過言ではないと思う。構成はおおむね登場する探偵別とし、第1巻と第2巻には金田一耕助もの、第3巻には由利先生もの、第4巻から第6巻には三津木俊助もの、第7巻にはノン・シリーズ作品を、それぞれ収めた。
 編者、日下三蔵。カバーイラスト、深井国。
(『横溝正史少年小説コレクション』第1巻 編者解説(日下三蔵)より一部引用)



巻 数 タイトル 初 版 収録作品
第1巻 怪獣男爵 2021年7月5日 『怪獣男爵』
『大迷宮』
『黄金の指紋』

 巻末資料
  『大迷宮』(一九五二年版)あとがき
  『大迷宮』(一九五二年版)カバーそで文
  『日本少年少女名作全集14』まえがき
  『少年少女名探偵金田一耕助シリーズ』まえがき
  『怪獣男爵』(一九九五年版)角川スニーカー文庫版解説 新井素子
第2巻 迷宮の扉   『仮面城』
『金色の魔術師』
『迷宮の扉』
「灯台島の怪」
「黄金の花びら」

 巻末資料
  『仮面城』(一九五二年版)まえがき
  『金色の魔術師』(一九五二年版)まえがき
  横溝正史のジュブナイルと金田一耕助 山村正夫
第3巻 夜光怪人   『幽霊鉄仮面』
『夜光怪人』
「怪盗どくろ指紋」
「深夜の魔術師」
「深夜の魔術師」(未完)

 未発表原稿巻末資料
  「深夜の魔術師」
  「死仮面(デス・マスク)された女」 ※大人物

 巻末資料
  『幽霊鉄仮面』(一九五二年版)まえがき
  角川スニーカー文庫版解説 ひかわ玲子
  角川スニーカー文庫版解説 深沢美潮
第4巻 青髪鬼   『青髪鬼』
『真珠塔』
『獣人魔島』
「ビーナスの星」
「花ビラの秘密」
「『蛍の光』事件」
「片耳の男」
「謎のルビー」
「皇帝の燭台」(未完)
「黒衣の道化師」(未完)
 巻末資料
  『真珠塔』(一九五四年版)まえがき
  『青髪鬼』(一九九五年版)角川スニーカー文庫版解説 図子慧
  『真珠塔・獣人魔島』(一九九五年版)角川スニーカー文庫版解説 菅浩江
第5巻 白蝋仮面   『白蝋仮面』
『蝋面博士』
『風船魔人』
『黄金魔人』
「動かぬ時計」
「バラの呪い」
「真夜中の口笛」
「バラの怪盗」
「廃屋の少女」
第6巻 姿なき怪人   『まぼろしの怪人』
『姿なき怪人』
『怪盗X・Y・Z』
第7巻 南海囚人塔   『南海の太陽児』
『南海囚人塔』
「黒薔薇荘の秘密」
「謎の五十銭銅貨」
「悪魔の画像」
「あかずの間」
「少年探偵長」(海野十三遺作を引き継いで完成)


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