事実は小説の元なり






 ミステリには犯罪実話というジャンルが存在します。また、実際の事件にヒントを得て、傑作と呼ばれるミステリが生まれることもありますし、逆にミステリをヒントにして犯罪を起こすケースもあります。江戸川乱歩「火縄銃」も、実際に起きた事故を元にして書かれた短編小説です。
 ミステリと実際の事件には接点があります。そんな接点を探ってみようというのがこのコーナーの主旨です。全部のミステリ、犯罪実話小説を追いかけることは不可能ですが、有名な作品から埋もれた傑作まで、できるだけ取り上げていこうと思っています。佐木隆三、福田洋、西村望、折原一など、このジャンルの小説を数多く書いている作家についても、長編はできる限り取り上げる予定です。犯罪実話を取り扱っている作品の場合、ミステリにカテゴライズされていない作品も取り上げていくつもりです。
 一部の作品を除き、ルポルタージュ作品については、別コーナー死刑・犯罪文献を考察するノンフィクションで見る戦後犯罪史の方で取り上げます。
 ここで取り上げる事件については、犯人の名前のみ実名で表記し、被害者その他は仮名とします(例外あり)。

 第 1回 福田洋『凶弾 瀬戸内シージャック事件』(講談社文庫)(2000年6月21日アップ)
 第 2回 中村光至『広域指定105号事件』(ケイブンシャ文庫)(2000年10月7日アップ)
 第 3回 井口泰子『フェアレディZの軌跡』(栄光出版社)(2001年7月28日アップ)(2014年2月17日修正)
 第 4回 木々高太郎『熊笹にかくれて』(桃源社)(2001年9月16日アップ)
 第 5回 日下圭介『61年目の謀殺』(徳間文庫)(2003年4月25日アップ)
 第 6回 中村光至『殉職 外山警部補殺害事件』(ケイブンシャ文庫)(2005年9月22日アップ)
 第 7回 黒木曜之助『実録・県警最大事件』(弘済出版社 こだまブック)(2012年7月20日アップ)
 第 8回 福田洋『贋札 妄執のニセ五千円札事件』(講談社)(2013年4月20日アップ)
 第 9回 高木彬光『神曲地獄篇』(角川文庫)(2013年4月27日アップ)
 第10回 清水一行『惨劇 石油王血族』(光文社文庫)(2013年5月31日アップ)
 第11回 福田洋『汝、恨みの引鉄(トリガー)を弾け』(ベップ出版)(2013年6月8日アップ)
 第12回 福田洋『野獣の刺青(タットゥー)』(光文社 カッパ・ノベルス<ドキュメント>シリーズ)(2013年6月10日アップ)
 第13回 神丈正『峠の惨劇』(文芸社)(2013年6月16日アップ)
 第14回 中村光至『捜査―北九州病院長バラバラ殺人事件』(トクマノベルス)(2013年6月24日アップ)
 第15回 中村光至『刑事―唐津・虹ノ松原殺人事件』(トクマノベルス)(2013年6月29日アップ)
 第16回 中村光至『特別捜査本部―佐世保・筑豊・小倉連続強姦殺人事件』(トクマノベルス)(2013年7月5日アップ)
 第17回 清水一行『時効成立 全完結』(角川文庫)(2013年7月9日アップ)
 第18回 山川健一『安息の地』(幻冬舎)(2013年7月12日アップ)
 第19回 福田洋『近畿・東海連続殺人』(双葉文庫)(2013年7月17日アップ)
 第20回 福田洋『科学的魔女裁判』(汐文社)(2013年12月18日アップ)
 第21回 篠田秀幸『人形村の殺人』(ハルキ・ノベルス)(2013年12月18日アップ)
 第22回 高木彬光『追跡』(角川文庫)(2013年12月25日アップ)
 第23回 岩井志麻子『夜啼きの森』(角川書店)(2013年12月31日アップ)
 第24回 佐木隆三『旅人たちの南十字星』(文春文庫)(2014年1月21日アップ)
 第25回 西村望『丑三つの村』(徳間文庫)(2014年1月21日アップ)
 第26回 佐木隆三『男の責任』(徳間書店)(2014年2月17日アップ)
 第27回 井口泰子『脅迫する女』(ケイブンシャノベルス)(2014年2月17日アップ)
 第28回 福田洋『紅の火車』(双葉ノベルス)(2014年2月22日アップ)
 第29回 清水一行『迷路』(徳間文庫)(2014年2月22日アップ)
 第30回 久間十義『ダブルフェイス』(幻冬舎)(2014年4月27日アップ)
 第31回 西村望『鬼畜 《阿弥陀仏よや、おいおい》』(徳間文庫)(2014年5月10日アップ)
 第32回 清水一行『捜査一課長』(集英社文庫)(2014年6月5日アップ)
 第33回 谺健二『赫い月照』(講談社)(2014年6月8日アップ)
 第34回 折原一『失踪者』(文藝春秋)(2014年6月8日アップ)
 第35回 折原一『沈黙者』(文藝春秋)(2014年6月8日アップ)
 第36回 和久峻三『裁かれた銀行-滋賀銀行九億円横領事件』(角川文庫)(2014年6月12日アップ)
 第37回 佐木隆三『詐欺師』(文春文庫)(2014年6月19日アップ)
 第38回 福田洋『強殺 連続八人殺害広域捜査105号事件』(講談社)(2014年6月29日アップ)
 第39回 福田洋『極刑 女流デザイナー誘拐殺人事件』(講談社)(2014年6月29日アップ)
 第40回 清水一行『風の骨』(集英社文庫)(2014年7月11日アップ)
 第41回 松本清張『小説帝銀事件』(角川文庫)(2014年7月30日アップ)
 第42回 折原一『冤罪者』(文藝春秋)(2014年9月15日アップ)
 第43回 野沢尚『深紅』(講談社文庫)(2014年9月26日アップ)
 第44回 桐野夏生『グロテスク』上下(文春文庫)(2014年10月11日アップ)
 第45回 笹倉明『推定有罪』(岩波現代文庫)(2014年11月13日アップ)
 第46回 内田康夫『死者の木霊』(講談社文庫)(2015年1月16日アップ)
 第47回 西村望『蜃気楼』(徳間文庫)(2015年1月24日アップ)
 第48回 松本清張『疑惑』(文春文庫)(2015年2月14日アップ)
 第49回 西村寿行『鬼女哀し』(徳間文庫)(2015年3月1日アップ)
 第50回 水上勉『金閣炎上』(新潮社)(2015年3月1日アップ)
 第51回 新堂冬樹『銀行籠城』(幻冬舎文庫)(2015年11月1日アップ)
 第52回 中薗英助『拉致―小説・金大中事件の全貌』(カッパ・ノベルス)(2016年1月12日アップ)
 第53回 笹倉明『白いマンションの出来事』(文藝春秋)(2016年1月21日アップ)
 第54回 清水一行『一億円の死角』(徳間文庫)(2016年2月3日アップ)
 第55回 三好徹『ふたりの真犯人 三億円の謎』(カッパ・ノベルス)(2016年4月10日アップ)
 第56回 佐野洋『小説三億円事件』(講談社文庫)(2016年4月23日アップ)
 第57回 西村望『水の縄』(徳間文庫)(2016年5月26日アップ)
 第58回 中原みすず『初恋』(リトルモア)(2016年8月6日アップ)
 第59回 西村望『火の蛾』(徳間文庫)(2016年10月27日アップ)
 第60回 中島河太郎編『三億円事件』(グリーン・アロー出版社 グリーンアロー・ブックス)(2016年12月22日アップ)
 第61回 開高健『片隅の迷路』(毎日新聞社)(2017年6月4日アップ)
 第62回 西村望『薄化粧』(文春文庫)(2018年1月21日アップ)
 第63回 金井貴一『毒殺―小説・帝銀事件』(廣済堂出版)(2018年12月9日アップ)
 第64回 佐木隆三『復讐するは我にあり』(文春文庫)(2020年5月9日アップ)
 第65回 松本清張『日光中宮祠事件』(角川文庫)(2020年12月29日アップ)
 第66回 折原一『追悼者』(文春文庫)(2021年3月6日アップ)
 第67回 深谷忠記『執行』(徳間書店)(2021年9月20日アップ)
 第68回 三好徹『海の沈黙』(集英社文庫)(2021年10月2日アップ)
 第69回 金井貴一『謀略の鉄路(レール) 』(廣済堂ブルーブックス)(2021年11月21日アップ)
 第70回 安東能明『蚕の王』(中央公論新社)(2022年1月30日アップ)
 第71回 佐木隆三『誓いて我に告げよ』(角川文庫)(2022年4月4日アップ)
 第72回 佐木隆三『曠野へ―死刑囚の手記から』(講談社文庫)(2022年9月20日アップ)
 第73回 中山義秀『少年死刑囚』(角川文庫)(2023年8月19日アップ)
 第74回 佐木隆三『偉大なる祖国アメリカ』(角川文庫)(2023年12月26日アップ)


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